パソコン用語雑感

内藤  達郎
平成30年2月
  日本にパーソナルコンピュータが入ってきてもう30年ぐらいになるでしょうか。
パーソナルコンピュータという面倒な英語を「パソコン」と略称したのはいかにも日本的な略語だと思います。日本人の面目躍如といったところです。
  しかしその他の大部分のパソコン用語はそのままカタカナ化して使っています。わずかに日本語化され、原語があまり使われていないのは「拡張子」「解凍」ぐ らいしか思い当たりません。
 
  対象になる言葉が実態のある物であればまだいいのですが、概念的なことになると原語がカタカナ化されただけではなかなか理解しずらい用語が多いです。パソ コン初心者がわかりにくい用語では「アップロード」「ダウンロード」があります。よく説明を求められる用語で、納得をしていただくまで時間がかかります。 これを漢字主体で、ぴったりの日本語訳があればいいのですが、初期のパソコン従事者は最初から日本語訳をあきらめてしまったみたいです。
 
  明治時代の日本人は外来語をなんとか日本語にしようと努力したのだろうし、中国の訳を日本語として流用するなどをして、結果として「アコーデオン」を「手 風琴」とか、「シンフォニー」を「交響楽」とか「オートモビル」を「自動車」など、日本語になり切ってしまった訳語が生まれたのだと思います。
 
    ところで、中国では日本のような「カナ」は存在しないので、外来語はすべて漢字で表すしかないはずです。さもなくばアルファベット表記のままにしておくほ かないでと思います。
 
  グーグル翻訳でパソコン語が中国ではどのように訳されているか調べてみました。
「パーソナルコンピュータ」は「個人電腦」と出ました。(中国語の簡体ではウエブページでは表示できないので繁体で表示させました)ついでに「スマート フォン」を変換してみると「智能手機」です。
 
  「アップロード」は「上傳」、「ダウンロード」は「下載」でした。これは日本のカナ表記よりも少しは感じがつかめるような気がします。「マウス」は 「鼠?」と出ました。
でも「アットマーク」は中国でも苦労したのでしょうか「在標記」と訳が出ました。
インターネットで検索してみると、パソコン用語の日本語と中国語の対比の情報が数多く見つかります。これを見ていると結構楽しめます。